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自立生活センター東大和

地域自立支援協議会報告

8月27日(金)14時から市役所会議棟にて、第二回東大和市地域自立支援協議会が行われました。
地域自立支援協議会とは障害者自立支援法に規定されており、各市町村におかれ、福祉・医療・教育・雇用と言った観点から選出された委員が集まり、高度な支援が必要な個々の相談ケースについて解決策を見つけたり、市内における障害福祉の課題を見つけ、社会資源の開発・改良を提言し、市政に反映するために活動するものです。

地域自立支援協議会はまだ発足して間もないため、現在は運営のためのシステム作りをしている最中です。今回は、委員の中でも地域自立支援協議会のイメージの共有化が十分はかれていないので、地域自立支援協議会そのものを知るための学習会という内容でした。傍聴席数が普段よりは多くもうけられていたので、より開かれた学習会だったのではないでしょうか。
学習会の講師として、兵庫県西宮市の地域自立支援協議会・会長の玉木幸則さんを招き、講義をしていただきました。

まず、障害者の支援を行なう上では、本人の希望を中心におき、あくまでも地域の中で暮らしていくという観点でサポートを行なっていくことが必要というのが大前提であるとの話がありました。
 そのため、最初に玉木さんのリハビリテーションに主眼の置かれた入所施設での厳しい幼少期の体験や、社会経験の乏しい青年期による挫折などの生活暦歴についてのお話がされました。地域で生活していくことの重要性を感じました。

また、地域自立支援協議会の運営のしかたについての話では、西宮市のネットワークについての沿革が紹介されました。西宮市では地域自立支援協議会が出来る前から、市内の関係団体のネットワークがつくられており、一定の実績があったうえで地域自立支援協議会が始まったので、一からつくりあげるというのが最初の目標ではなく、より既存のネットワークを発展させていったということでした。

しかしながら、実際の運営で参考になる点が多く見受けられました。
まずは、くらし・こども・しごとという生活場面やライフステージによる分け方の3つのカテゴリの分科会をつくったということがあります。例えば、特別支援学校に通っている生徒が卒業を控え、社会に出て行くといったように、教育の分野だけで考えていたのでは解決できない課題を解決するためには必要なことでしょう。
また、2つのカテゴリにまたがるような課題が挙がってきた際の対応としては、分科会は基本的には1年おきにローテーションになっており、以前は他の分科会にいた委員が必ずおり、その委員の観点から意見をもらうことで対応しているということ。また、分科会同士の情報交換も全体会において効率的になされているということでした。
また、人口が約48万人ということもあり、相談支援事業所が市内に7か所あります。そのため解決すべき課題も多い反面、多くの課題に対応してきたということから様々な立場の意見が聞ける体制であるというのも地域自立支援協議会の質が高くなるためには、必要なことでしょう。

東大和市には精神障害者のための相談支援事業所が1つあるだけで、身体・知的障害に対するサポートの事業所はありません。地域自立支援協議会の肝はやはり相談支援事業所からの個別ケースです。そういった個々のケースを解決していくことにより、市内の相談支援、社会資源開発がより質の高いものになってゆきます。

やはり、東大和市の障害福祉においての第一の急務は相談支援事業所を迅速に整備していくことに尽きるでしょう。

東大和市地域自立支援協議会は年度内でシステムづくりを行なっていくそうです。今後も市民及び関係者が意識をして、意見を伝えたり、見守っていくことでより良いものになっていくのではないでしょうか。